2006 Fiscal Year Annual Research Report
効果的な糖尿病患者教育のための患者スクリーニングツールの開発
Project/Area Number |
18791656
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
柴山 大賀 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80420082)
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Keywords | 看護学 / 糖尿病 / 患者教育 / 行動変容 / 臨床研究 / アウトカム |
Research Abstract |
効果的な糖尿病自己管理教育(DSME)とはどのようなものかを考察するために、2001年以降に海外で公表されたシステマティック・レビューとメタアナリシスについてレビューした。 PubMedによる電子検索の結果、27件の文献が得られた。レビューの内容は、DSME全般に関するものと、教育についての5つのサブグループ(方法、内容、対象、担当者、場所)に関するものに大別された。後者では、教育方法については、心理療法(2件)、グループ教育(1件)、情報技術を利用した教育(2件)が、教育内容については、生活習慣介入の体重への効果、自己血糖測定、フットケア教育、薬物療法のアドヒアランスを高める介入、医療者患者関係への介入、社会的支援が(各1件)、教育対象については社会的弱者(3件)が、教育担当者についてはcommunity health worker(1件)が、教育場所については病院外来(1件)と病院以外の場所(2件)が取り上げられていた。 以上をレビューした結果、DSME全体でみれば、介入により短期的な血糖コントロールの改善が小から中程度の大きさで認められるが、その詳細について、すなわち、どのようなDSMEが、どのような対象に、どのように作用する結果、どのようなアウトカムに、どのような効果をもたらすのか、については現在のところ確固とした結論は出ていない。 また今回特に注目すべきは、多くの研究が理論に基づくDSME介入を推奨していることである。これを踏まえてわが国で介入研究を実施する場合には、それが拠り所とする理論が扱う構成概念を客観的に測定するための、信頼性と妥当性が保証された日本語の尺度が必要であり、このような尺度の開発は今後とりかかるべき優先課題の一つと考えられた。
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