2006 Fiscal Year Annual Research Report
終末期がん患者と家族相互間のコミュニケーションを促進する看護ケアプログラムの開発
Project/Area Number |
18791667
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大場 央子 岡山大学, 医学部, 助手 (90403469)
|
Keywords | 臨床看護学 / 終末期がん / 家族看護 |
Research Abstract |
終末期がん患者と家族相互間の良好なコミュニケーションを維持・促進する看護ケア内容の実態を明らかにすることを目的として、本研究への協力が得られた施設の緩和ケア病棟及び一般病棟に入院中の終末期がん患者とその家族を1単位として半構成的面接を実施し、面接逐語録の内容分析によりカテゴリーを抽出した。倫理的配慮として大学及び研究協力施設双方の倫理審査委員会から承認を得たのち、調査対象へ書面及び口頭で研究内容を説明し研究協力の同意を得て面接を行った。結果、看護ケアの対象はその提供内容によって、1.患者、2.患者と家族の双方、3.家族に分類され、1.患者においては、ADLの低下に伴う基本的なセルフケア不足やそれに伴い生じる精神的苦痛といった側面に対して、【丁寧な保清ケア】【その人らしさを大切にした関わり】【精神的援助】【気兼ねなく看護師に依頼できるような声かけ】などであった。また、当該年度以前に研究者が行った調査では(身体的苦痛症状に対しての【素早い苦痛への対応】【ナースコール時の素早い直接対面による用件確認】といった関わりも明らかとなっている。2.患者と家族の双方においては、【入院時からの受持ち看護師による挨拶】【余裕・ゆとりのある関わり】といった(1)患者・家族に対面する時の看護師の態度、【看護師間の迅速な患者,家族情報の共有】といった(2)迅速な情報交換、【今後の患者の病状経過を予測し療養に対する姿勢を考える機会を与える関わり】といった(3)今後予測される出来事に対して患者・家族ができるだけ自ら対処できるような働きかけがなされていた。3.家族においては【患者の病状に応じた援助の方向性の示唆】や介護上の負担に対する心身両面からの働きかけである【息抜きの提供】【精神的援助】などであった。次年度からはこれらの結果を基に、一般病棟でも拡く提供可能な患者・家族を1単位とした看護ケアプログラムの開発を予定している。
|