2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音波診断装置を活用した母親準備教育プログラムの確立に向けて
Project/Area Number |
18791673
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒木 美幸 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (10304974)
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Keywords | 看護学 / 母親準備教育 / 超音波診断装置 / 胎動 / 胎児愛着 |
Research Abstract |
妊婦は、20週前後になると直接的に胎動というかたちで胎児から働きかけを受け、その働きかけに反応することでより胎児への愛着を深めている。このように妊娠中から妊婦と胎児との関係が良好に形成されていくことは、出産後の母子関係確立を援助するための有効な方法だと考えられる。これまでに我々は、妊婦に情動を喚起する方法を確立し、妊婦と胎児30組を対象に妊婦の情動に反応する胎児の胎動および表情の変化を解析した。その結果、妊婦の情動の変化は胎児の各身体部位の動きに影響を与えることがわかった。 本年度は、妊婦の胎児に対する愛着形成を促す一つの援助法として妊婦の五感の中でも特に視覚に注目し、3Dエコー(3次元型超音波診断装置)により胎児の顔の表出を試みた。つまり妊婦が三次元型胎児の顔をみることは胎児に対する愛着に有効かどうか解明することを本研究の目的とした。胎児愛着の測定には高橋らによる10の質問からなる簡易化胎児愛着テストを用い測定した。その結果、妊婦28人中、胎児の顔をみた妊婦16人はエコー前41.9±1.08点、エコー後45.5±1.02/50点満点、胎児の顔をみなかった妊婦12人はエコー前43.8±0.87点、エコー後44.8±0.78点であった。エコー前後の胎児愛着尺度の変化については、顔を見た妊婦は3.56±0.59点、顔をみなかった妊婦は1.0±0.59点増加しており、胎児の顔を見た妊婦のほうが胎児の顔をみなかった妊婦に比べ、胎児愛着尺度が有意に増加していた(P<0.05)。つまり3Dエコーによって胎児の顔を視覚的にみること妊婦の胎児に対する愛着が増加することがわかった。
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