2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音波診断装置を活用した母親準備教育プログラムの確立に向けて
Project/Area Number |
18791673
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
荒木 美幸 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10304974)
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Keywords | 看護学 / 母親準備教育 / 超音波診断装置 / 胎動 / 胎児愛着 |
Research Abstract |
今回はこれまでの研究結果(荒木,2007)から胎児の腕の動きを指標にし、妊婦の音楽聴取時の胎動(腕の動き)の変化と、妊婦の腹部を介して胎児に音楽をきかせた時の胎動の変化を明らかにすることを研究目的とした。対象:妊娠35〜36週の妊婦32人、方法:妊婦にヘッドホンを装着し音楽を聴取してもらった。胎児には妊婦の腹部にヘッドホンを装着し音楽を聴取してもらった(この際、音がもれないよう妊婦に防音用のヘッドホンを装着した)。音楽のボリュームは、妊婦に平均70db、胎児に平均105dbとなるようDVDプレイヤーにアンプを接続し、調整した(B.S. Kisilevsky,2004)。胎動の回数および持続時間を音楽聴取前5分間、音楽聴取時5分間、音楽聴取後5分間、計15分間を超音波診断装置にて観察し、録画再生し分析した。また、妊婦には心電計および分娩監視装置を装着した。音楽はモーツアルト(二長調K448)を用いた。モーツアルトは一般的に胎教の目的で使用されることが多く、その中でもこの曲は活性的な気分が高まることが報告されている(Thompson, Schellenberg, & Husain,2001)。また、音楽聴取前後の情動の変化を測定するために心理テストProfile of Mood States (POMS)にて6種類の情動(緊張-不安、抑うつ-落ち込み、怒り-敵意、活気、疲労、混乱)を測定した。音楽聴取前の6種類の情動の平均値および中央値を算出し、中央値からの高低で2群に分け分析した。」その結果、妊婦音楽聴取群15人では情動の高低で胎動に変化はなかった。一方、胎児音楽聴取群17人では緊張、不安が低い妊婦は高い妊婦に比べ胎動が減少した(P<0.05)。また活気が低い妊婦は活気が高い妊婦に比べ胎動が減少し(P<0.05)、疲労が高い妊婦は疲労が低い妊婦に比べ胎動が減少した(P<0.05)。
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