2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791677
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山口 さおり 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10404477)
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Keywords | 看護学 / HTLV-I脊髄症 / 現象学的方法 / 体験世界 / 病いの意味 |
Research Abstract |
本研究課題の目的は、現象学的方法を用いてHAM患者20名の病いの構造を明らかにし、そこに内包される意味を探究することである。 本年度は、まず研究方法論として採択した現象学的方法の精度を高めるために、平成18年3月に開催されたAmedeo Giori教授による現象学的研究方法ワークショップによって得られた知見を基に、自らのデータ収集方法および分析方法を見直した。特に、データ収集方法での自由回答式質問紙法と半構造化面接法の位置づけを確認でき、また自らがこれまでに行ってきたデータの分析のプロセスを振り返ることで、その方法の有用性を確認できたことが大きな収穫であった。加えて、看護系の学術集会に参加し、質的研究方法を用いた研究発表や質的研究方法に関するセミナーを通じて質的研究方法に関する研究者のレベルアップに努めた。 続いて、データ収集を行う施設のゲートキーパーへ研究協力依頼を行い、ゲートキーパーの協力のもと、データ収集を実施する施設の臨床研究倫理委員会による審査を受け研究実施の了承を得た。その後、患者の選定等実際のデータ収集についてゲートキーパーと交渉および調整を開始したが、ゲートキーパーの所属変更等により変更分の倫理審査が必要な状況となり再申請を行った。 並行して、本研究では患者のプライベートで複雑な体験をデータとして取り扱うため、データ収集およびデータ管理に関して十分な倫理的配慮が行えるよう体制を整えた。 結果的に、当初の研究実施計画で想定していたよりも、研究方法の再検討と臨床研究倫理委員会への申請に時間を費やした形となった。次年度は、倫理審査の結果を受け、早急にデータ収集とデータ分析を開始し、HAM患者の体験世界に深くアプローチしていきたい。
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