2006 Fiscal Year Annual Research Report
気管切開を行う児の気管切開処置をうけることに対する家族の意思決定に関する研究
Project/Area Number |
18791684
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
久木元 理恵 北里大学, 看護学部, 講師 (30363782)
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Keywords | 小児看護 / 気管切開 / 意志決定 / 家族 |
Research Abstract |
1.目的: (1)H18年度の目的:児に気管切開の適応が診断され、家族が気管切開術の実施を意思決定し、実施されるまでの間に家族が経験すること、思いを明らかにする。H18年度は所属機関の変更に伴い、データ収集の場所の再検討を行った。面接ガイド作成の為に看護学修士論文の研究データにおいて「疾患及び気管切開適応の診断」に対する思いについて分析を行った。 2.研究方法:質的記述的研究方法、因子探索的研究デザイン。 3.結果:対象は喉頭気管疾患のために気管切開をおこない、治癒するまでのあいだ、現在気管カニューレを装着して在宅療養をおこなっている乳幼児の母親5名。母親の疾患および気管切開適応の診断に対する思いには、【出生時の児の健康に対する思い】、【疾病に対する思い】が影響していた。【出生時の健康に対する思い】には、喉頭気管疾患が呼吸に関連していることから、症状悪化による身体状況の変化に対する医療者からの説明の中で「生」と「死」を想起し、大きな衝撃をうけ、児の状態を受け入れることに困難を感じていた。その一方で妊娠中から抱いていた児に対する愛情を感じていた。【気管切開の適応の診断に対する思い】には、診断を受け入れるまでに時間がかかり、意思決定するまでに時間を要すること、その期間に児の成長を感じることができる、医療者へ感情を表出することができることをとおして児の状態を受け入れ、児の気管切開の必要性を認識し、気管切開後の児の身体的変化を想像し、気管切開の実施を意思決定していく過程であった。 4.H19年度の方向性:本年度は、データ収集の場所の検討を行う中で重症心身障害の子どもと母親とのかかわりをもつことができたので、作成した面接ガイドを用い喉頭気管分離術のように永久的に気管切開を行う児の母親へ面接を行い、分析、検討、介入の示唆を得る。
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