2007 Fiscal Year Annual Research Report
広島県近域における小児がん経験者のピアサポートシステムの構築
Project/Area Number |
18791701
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
土路生 明美 Prefectural University of Hiroshima, 保健福祉学部, 助教 (00347626)
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Keywords | 小児がん経験者 / ピアサポート |
Research Abstract |
広島県では,小児がんで子どもを亡くした家族が中心となって設立されたがんの子供を守る会広島支部という家族会が中心となり,2005年より,小児がんを含む小児難病経験者対象としたキャンプを開催し,彼らの支援活動を始めた。2006年6月には小児難病経験者の会,MAKTY(マクティ)が発足し,交流会やキャンプの運営に参加するなどの活動を行っている。そこで小児がん経験者の自助グループに対する期待やニーズについて,インタビューより明らかにし,家族会メンバーと協同し,彼らが中心となって活動していける支援のあり方を検討することを目的に研究を行った。 平成19年度は小児がん経験者が関わる活動に参加し,フィールドワークを行った。8月の小児がん経験者当事者会に参加し,自己紹介や仲間づくりができるよう意識して会を進められ,入院中の経験,退院後も続く悩みなど語っていた。しかし,経験者同士のみでの交流の時間も企画されており,当事者同士でしか語れないことがあることを語っていた。自身の経験を振り返り,意味付けしていく過程で当事者会に参加する意義があることが示唆された。自らの経験を他者に語ることに抵抗がある小児がん経験者に対し配慮が必要であり,研究の倫理的配慮について,県立広島大学研究倫理委員会に提出し,研究上の倫理審査を受けて行うこととした。また,研究協力者が少ないため,グループインタビューが行えていない状況であった。 平成20年度も引き続き,地域を拡大し,データ収集していく予定である。
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