2006 Fiscal Year Annual Research Report
障害を持ちながら急性期病院を退院する患者とその家族の退院準備性を高める看護ケア
Project/Area Number |
18791704
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
瓜生 浩子 高知女子大学, 看護学部, 講師 (00364133)
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Keywords | 退院支援 / 準備性 / 家族看護 |
Research Abstract |
本研究の目的は、障害を持ちながら急性期病院を退院する患者とその家族の退院への準備性を明らかにし、円滑な在宅療養移行に向けて必要な準備性を高めるための効果的な看護ケアを検討することである。 平成18年度は、第一段階として、疾病や障害を持ちながら病院を退院する患者家族にどのような準備性が必要とされるのかについて、文献による検討を行った。退院調整看護師・退院支援看護師の活動に関する文献、疾病や障害を持つ患者家族の退院を扱った事例研究、退院調整・退院支援の場で活用されているアセスメント項目などを参考にした。その結果、[患者の病状やセルフケアカ][家族の体力・体調]といった身体的能力、[退院後の生活に関する知識・理解力・判断力][家族と本人の退院への思い][家族と本人の退院への自信][生活の場の環境][周囲のサポート]などが重要であることがわかった。 第二段階として、急性期病院における障害を持つ患者の退院の現状を知るために、急性期病院に勤務している、あるいは最近まで勤務していた看護師10名にインタビューを行った。その結果、自宅退院となる患者家族には退院指導を行うが方法は施設によって差があり1回のみの場合も多いこと、相談室やMSWが関わるケースも多いが問題発生のリスクが高いと判断された場合が中心であることなどが明らかになり、十分な支援を受けずに退院になるケースも多いのではないかと考えられた。 第三段階として、障害を持ちながら急性期病院を退院する患者とその家族は、どのような準備性を持って退院を迎えるのか、その準備性はどのような過程で獲得されるのか、準備性の不足のためにどのような困難に直面しているのかを明らかにするために、第一段階の結果を基にインタビューガイドを作成し、退院後3ヶ月以内の患者・家族を対象に面接調査を行うことにした。現在、データ収集と分析を並行して進めているところである。
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