2007 Fiscal Year Annual Research Report
養護教諭を介在した思春期のメンタルヘルス教育の開発に関する研究
Project/Area Number |
18791720
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
篁 宗一 Tottori University, 医学部, 講師 (60362878)
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Keywords | 援助希求行動 / 思春期 / 精神保健 / 学校保健 |
Research Abstract |
研究目的 本研究が最終的に目指しているのは、中学生のメンタルヘルスの問題を、健康教育としてとりあげ、実践するこをにより、早期介入を実現することであり、つまり早い段階でのメンタルヘルスの予防として一次・二次予防を可能にするための方略、戦略をたてることである。その手段として精神科看護領域の一つとして養護教論と協力を結び、養護教諭を介した教育プログラムを実践する方法を提起し、効果を探ることにある。研究方法 平成19年度、2つのプログラムを行った。まず平成ゴ8年度に実施した思春期をターゲットにした試行的な教育プログラムの開発およびツール開発を、簡便に利用できるよう短縮版を作成し、介入を実施した。対象は島根県A市の公立中学校1年生で、全体111名を対照騨と介入群に振り分け、教育前に質問紙調査を行った。講義3時間の教育プログラムを実施し、教育後にも調査を実施し、効果を検討した。 2つ旨に1年次の介入の長期的効果を検討した。これは平成18年度に実施した試行的なメンタルヘルス教育の長期的な効果として、実施一年後に効果を測定して比較したものである。結果と考察 平成19年度短縮版の効果としては、目標変数とする援助希求行動の有意な効果が確認された。また知識得点はどちらの介入も顕著な効果を示していた。平成18年度と比較しても、やや肯定的な効果が確認されておりプログラム改良が成功したといえ、今後対象者が体調を崩した際の援助希求行動を支える基盤ができたといえる。また、長期的な効果としては、目標変数とする援助希求行動は、1年経過した後も、介入前のベースラインと比較しても得点は有意に高いまま継続していた。長期的な効果が継続する事で、その間に精神的な不調を訴えた際の、実際の相談行動につながっており、早期介入を可能にしたといえる。
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