2006 Fiscal Year Annual Research Report
在宅要介護高齢者の家族介護者が必要としている介護技術指導
Project/Area Number |
18791724
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 美恵 岡山大学, 医学部, 助手 (40274021)
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Keywords | 在宅介護 / 介護技術 |
Research Abstract |
【目的】在宅要介護高齢者の家族介護者が、実施するにあたり不安や困難を感じる介護技術を明らかにする。【方法】対象は、A県内で在宅要介護高齢者の介護をしている家族介護者530名。データは質問紙調査により収集した。調査内容は(1)介護技術34項目について、実施に伴う不安や困難の程度(「4=強く感じる」から「1=全く感じない」の4段階)、(2)介護者および要介護者の属性。分析は、介護技術34項目について、4段階の回答を各項目の得点とし、項目ごとの平均点を求めた。調査は無記名とし、個人のプライバシー保護、調査への協力の有無は個人の利害に影響を及ぼさないこと等について明記した。【結果】調査用紙の回収数は281、回収率は53.0%。このうち278票を分析対象とした。介護者の性別は、女性が224名(80.6%)、男性が40名(14.4%)、平均年齢は65.0±11.5歳であった。要介護者との続柄は、配偶者が124名(44.6%)、子が77名(27.7%)、嫁が52名(18.7%)であった。平均介護年数は5.9±5.2年であった。要介護高齢者の性別は、女性が145名(52.2%)、男性が119名(42.8%)、平均年齢は81.3±9.9歳であった。要介護度は、要介護1が13名(4.7%)、要介護2が24名(8.6%)、要介護3が23名(8.3%)、要介護4が56名(20.1%)、要介護5が144名(51.8%)であった。介護者が不安や困難を感じる技術項目は、「病状の観察」(2.87)、「車椅子への移乗・車椅子移動」(2.77)、「要介護者とのコミュニケーション」(2,76)、「手に障害(麻痺など)がある要介護者の寝衣を着替えさせること」(2.69)、「食べ物や飲み物を飲み込みにくい要介護者の食事介助」(2.66)であった。【考察】家族介護者が不安や困難を感じる介護技術は、観察、移動、コミュニケーション、清潔、食事などであったことから、基礎分野や日常生活分野に属する介護技術を実施している介護者の負担感は大きいことが推測される。
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