2007 Fiscal Year Annual Research Report
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18791726
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高橋 郁子 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 講師 (40379946)
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Keywords | 高齢者施設 / 特別養護老人ホーム / 介護老人福祉施設 / 介護老人保健施設 / 感染症予防対策 / 感染症患者 / 保因者 / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は、山口県内の全ての介護老人福祉施設と介護老人保健施設を対象に事前に調査協力の有無を確認し、協力可能であると答えた施設に対して、質問紙による調査を郵送で行った。 1.調査票の作成 調査票は先行研究や文献を整理し、研究者が専門家の意見を参考に独自に作成し、高齢者施設の職員に対し予備調査を行い完成させた。調査票は高齢者施設の管理者を対象に施設の感染症予防対策を質問する調査票と、介護職員を対象に感染症や感染症予防に関する知識・態度・行動を質問する調査票の2種類である。 2.調査結果 調査に協力できると回答した56施設中、42施設から回答があり、回収率は75.0%であった。介護職員の調査票は1323人から回収できた。現在、データの入力と単純集計のみ終了している。 管理者を対象とした調査では、感染症対策委員会の設置(95.2%)感染症対策マニュアルの作成(100%)研修の実施(81.0%)となっており、施設の感染症対策として求められている対策に関しては対策が進んでいた。しかし感染症予防で重要であるといわれている手洗いに関する対策としては、介護職員に対して手洗いが適切にできているか評価している施設は約3割であり、手洗い場への石けんの設置(61.9%)や手指消毒剤の設置(42。9%)手指消毒剤の携帯(23.8%)は低い傾向にあり、手洗い環境の整備が課題であった。 介護職員を対象とした調査では、感染症に対する研修を受けている者は約6割、感染症の教育を受けたと感じている者は48.5%で職員への研修や教育の必要性が示唆された。一方で感染症の感染経路に関する知識は7点満点中、平均が5.9点で正しい知識を持っていると言える。手洗いでは汚れがない時の手洗いの方法やケアの前の手洗いやケア時の汚染部位から清潔部位への移る時の手洗いに関して誤った回答がみられ、標準予防策について高齢者施設で普及・啓発をすすめていくことが必要である。
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