2006 Fiscal Year Annual Research Report
特別養護老人ホーム入所高齢者の家族介護者を対象とした支援プログラムの実施と評価
Project/Area Number |
18791727
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
木村 誠子 高知大学, 医学部・看護学科, 助手 (30346712)
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Keywords | 家族介護者 / 高齢者 / 特別養護老人ホーム / 介護老人福祉施設 / 支援プログラム / グループワーク / エンパワーメント |
Research Abstract |
本年度は,高知市,南国市及び香美市の特別養護老人ホームに入所する高齢者の家族介護者を対象に,エンパワーメントを目指した支援プログラム(以下,SP)を実施した. 高知大学医学部倫理委員会において本研究計画の承認を得た後,3市の特別養護老人ホーム14施設に電話と訪問でSPについて説明を行い,参加者募集の協力を依頼した.協力の得られた9施設の家族介護者216人に対して,文書でSPについて説明し参加者を募った.初期計画では,特養入所高齢者の全ての家族介護者を対象としていたが,入所期間が長期に渡る家族介護者では,高齢者の入所以外の要因が多分に含まれてくることが予測されたため,県内の全施設で施設入所決定方法が変更された平成15年10月以降に入所した高齢者の家族介護者を対象とした.参加家族は9人であった,参加者が予定より少なかったことから2次募集も検討したが,協力施設の負担が大きいこと,明らかな参加者増が望めないことなどから新たな募集は行わず,9人を1グループとして3回のSPを実施した.実施期間は,平成18年9月〜12月であった. SPは,約1時間,家族介護者間で高齢者の入所に対する現在の心境や介護上の問題について語り合った後,健康講座あるいは講演会を実施した.家族介護者の語り合いは,ICレコーダに記録した.SP終了後,レコーダを起こして内容をまとめ,1〜2ヶ月後に次回の開催案内と合わせて郵送した. 支援プログラムの評価として,第1回のSP開始前及び第3回SP終了後,General Health Questionnaireを実施した結果,家族介護者のSP参加前後の得点に有意な差はみられず,支援プログラムのエンパワーメント効果は量的に認められなかった.しかし,SPの最終アンケートにおいて,SP継続の希望する声もあったことから,今後,グループワークで語られた内容を質的に分析し,更に検討する必要がある.
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