2007 Fiscal Year Annual Research Report
職員の精神的健康維持・増進に寄与する職場風土とその形成を促す保健活動に関する研究
Project/Area Number |
18791734
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Research Institution | Sapporo City University |
Principal Investigator |
新納 美美 Sapporo City University, 看護学部, 講師 (60323359)
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Keywords | メンタルヘルス / 産業保健 / 職場風土 / ヘルスプロモーション / 健康職場モデル |
Research Abstract |
生産性と職員の健康とが両立する職場風土づくりのゴールとその達成に必要な要素等について明らかにするため,面接調査を実施した。調査対象は,前年度の調査協力職場に所属する概ね健康で勤務に支障の無い職員とし,職場の窓口担当者を通じて協力者を募集した。調査の目的・方法・倫理的配慮等に関する説明に同意した計40人から協力を得た。 面接調査の結果,生産性と健康が両立する職場風土とは,「職員各々が組織の共通目標に向かって力量を発揮しその職務体験の中で学び正当な評価を受けながら職業人として成長できる社会的に健全な風土」「職員各々が充実した私生活と社会人としてのモラルに支えられて職務に専念しともに人間として尊重しあい開放的な職務関係が築ける風土」であると認識されていることが明らかにされた。これらは各職位に共通して抽出されており,立場に係らず認識されている風土の基本的要素と考えられた。したがって'生産性と職員の健康が両立する風土は,職務を遂行する能力の研鑛と評価システムの健全性に係る軸と,尊重や思いやりといった人間関係の健全性に係る軸で評価可能であると示唆される。さらに,生産性と健康が両立する職場風土の形成に必要な要素として'管理職および職場のリーダー(中堅職員)の職務姿勢や人間性の良好さ,業務の内容(ある程度成果が得られる職務内容であるか否か)や量の適切性,正当性、公平性のある評価システムの存在,職員個々の人間としての成熟度などが抽出された。健康職場づくりは,従来の職業性ストレスモデルに含まれる要素の整備に加え,職員個々の人間および職業人としての成熟をあらゆる人材によって相互に促進していく中で実現されるものと考えられた。
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