2006 Fiscal Year Annual Research Report
老人福祉センター利用者に対する認知症予防のための早期介入プログラムの実施と評価
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18791739
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
細川 淳子 石川県立看護大学, 看護学部, 講師 (70324085)
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Keywords | 看護学 / 認知症 / 介護予防 / 介入プログラム / 評価 |
Research Abstract |
本研究は、老人福祉センター利用者を主たる対象に、認知症予防のための早期介入プログラムを開発することを目的としている。今年度は、文献検討および、対象を代えてプレテストを行い、プログラム内容及び評価指標の検討、プログラムを担う地域住民ボランティアの育成に取り組んだ。 【プレテストの概要】1)対象:健康福祉センターに通うリハビリ友の会の会員。2)実施期間:事前調査:平成18年7月、プログラム1期目:平成18年8月〜11月(全10回)、事後調査1:平成18年12月、プログラム2期目:平成19年1月〜3月(全10回)、事後調査2:平成19年4月。3)プログラム内容:1期目は、1回2時間の中で「自己紹介・気分調べ,RO(リアリティオリエンテーション),軽体操,認知症の学習,テーマにそったアクティビティ,歌」を行った。2期目は、プログラム開始前に認知症の学習と10回分のテーマの話し合いを行った。4)事前・事後調査項目:(1)タッチパネル式コンピューターを用いた簡易認知症スクリーニングテスト得点、(2)1分間動物名想起テスト、(3)FAB。5)地域住民ボランティアの育成:各期の実施後に反省会を行った。「結果」1期の前後調査10名(男性6名、平均69.3歳)では、調査項目毎に、(1)13.9±0.9→13.9±1.2(2)13.8±3.5→13.2±3.5(3)13.6±2.0→14.4±2.1であった。2期の前後調査17名(男性9名、平均71.0歳)では、(1)13.9±1.1→14.3±0.8(2)13.3±4.8→14.6±4.2(3)13.6±2.8→13.8±2.4であった。1期、2期ともに、対応のあるT検定で有意差は認められなかった。評価項目は、個人個人で効果を示す指標が異なっていたため、1つの項目に絞らず、複数項目調査を実施することが望ましい。対象者の興味のある内容をプログラムに取り入れると対象の積極性が増すため、実施者は対象のニーズを引き出す関わりが求められる。また、地域住民ボランティアからは、プログラム開始初期における対象との人間関係に困難感を感じるという意見が多く、プログラム開始段階での自己紹介等の内容の工夫が必要である。 来年度は、プレテストでの示唆・課題を考慮し、老人福祉センター利用者への認知症早期介入プログラムを展開し、評価していきたい。
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