2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎盤形成における糖転移酵素GnT-Vの機能と絨毛外栄養膜細胞浸潤機構の解明
Project/Area Number |
18799005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 英子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (10432262)
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Keywords | 胎盤 / 糖転移酵素 / 絨毛外栄養膜細胞 / GnT-V |
Research Abstract |
患者からのインフォームドコンセントを得た胎盤組織を用いて、抗ヒトGnT-Vモノクローナル抗体による組織免疫染色を施行し、絨毛外栄養膜細胞(EVT)に発現を認めた。L4-PHAレクチン染色では、GnT-Vによる特徴的な糖鎖構造であるβ1-6GlcNAc鎖もEVTに発現していた。さらに、胎盤組織より蛋白を抽出し、抗GnT-V抗体を用いたWestern blotとL4-PHAを用いたlectin blotを施行した。妊娠初期、中期に比べて後期にはGnT-V、β1-6GlcNAc鎖の発現はともに減少した。また、lectin blotより胎盤におけるGnT-Vの標的分子は約120kDaと80kDaと推測された。 妊娠初期絨毛を洗浄後細切し、collagen I coat dish上に5-7日間培養して得られた培養EVTを上記と同様に免疫染色を施行すると、GnT-Vおよびβ1-6GlcNAc鎖の発現が認められた。β1-6GlcNAc鎖は細胞膜に局在していた。 絨毛癌細胞株6種(Bewo, Jar, JEG-3, CC-1, CC-3, CC-4)およびEVT細胞株(HTR-8/SVneo)からの抽出蛋白を用いたWestern blotでは、すべての細胞株においてGnT-Vの発現を認めた。高感度液体クロマトグラフィーによるGnT-V活性測定では、JarおよびHTR-8/SVneoが特に強い活性を示した。 GnT-V強発現株であったJarをEVTモデルとして、大阪大学医学部生化学教室三善英知先生から供与されたGnT-V siRNAレトロウイルスベクターを遺伝子導入し、シングルクローンを採取した。GnT-Vの発現量をWestern blotで解析し発現抑制株を樹立した。親株とmock株が比較的紡錘形であるのに比べて、GnT-V発現抑制株は接着面に対してより拡がっているような形態変化が見られた。
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