2006 Fiscal Year Annual Research Report
MSFを分子標的とした口腔癌の浸潤抑制に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18799008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
大江 剛 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60432762)
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Keywords | 癌 |
Research Abstract |
初診時口腔癌患者の生検材料を用いた免疫組織学的検索にてMigration Stimulating Factor(MSF)の発現が生存率を始めとした様な臨床データと統計学的に相関することを見いだし、第65回日本癌学会学術総会(パシフィコ横浜)にて研究成果の発表を行った。 次にMSF mRNAが口腔扁平上皮癌細胞株に発現している事を確認し、siRNAを用いた遣伝子機能阻害法にて口腔扁平上皮癌由来培養胞のMSF遺伝子をノックダウンした。そのMSFノックダウン細胞を用いて細胞遊走能、増殖能ならびに造腫瘍性におけるキャラクター解析を行った。すなわちトランスウェルチャンバーを用いたMigration assayにおいて、MSFノックダウン細胞はコントロールRNA導細胞(コントロール細胞)と比べて細胞遊走能は低下した。MTT assayにて細胞増殖を比較検討したところ、MSFノックダウン細胞はントロール細胞と同程度の増殖能を示した。Focus colony assayにてMSFの細胞癌化能に対する影響を検索したところ、MSFノックダン細胞はコントロール細胞と比べてフォーカス形成の低下を認めた。Colony assayにて軟寒天内コロニー形成能を検索し足場非依存の増殖能を検索したところ、コントロール細胞において認めていたコロニー形成能はMSFノックダウン細胞では低下していた。 以上の結果はMSFが癌の進展に寄与している可能性を示唆しており、MSFの抑制は口腔癌の新規分子標的治療の可能性を有していると考えられた。
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