2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症の分子標的治療を目指したTRAF6蛋白質複合体のシグナル識別機構の解析
Project/Area Number |
18799010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
松村 隆之 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (50434379)
|
Keywords | 骨・軟骨代謝学 / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
【目的】骨粗鬆症は破骨細胞の異常な活性化によって引き起こされる。我々は世界に先駆けて、TRAF6が破骨細胞を誘導するRANKシグナルと細菌感染防御に働くTLRシグナルを識別して伝達する必須のシグナル伝達因子であることを明らかにした。本研究課題では、骨粗鬆症に対する分子標的薬の開発を目指して、TRAF6がRANKシグナルとTLRシグナルを識別する分子機構を最新のプロテオミクス技術-SILAC法-を用いて明らかにする。具体的にはSILAC法を用いて、RANKおよびTLR刺激において活性化されるTRAF6複合体の構成因子を網羅的かつ経時的に定量解析し、RANKシグナルのみを制御出来るタンパク質を同定し、感染防御機能を損なうことなく破骨細胞を抑制するシステムを構築する。 【進捗状況】TRAF6タンパク質複合体の精製を高純度かつ容易に行うため、TRAF6に2×FLAG-6×His-Tagを付加した。このTag付加TRAF6(FH-T6)をTRAF6欠損線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いて発現させ、IL-1シグナルが正常に伝達されることを確認した。また、細胞溶解液を抗FLAG抗体及びNi-NTAアガロースにて2段階精製し、TRAF6複合体が精製できることを確認した。次に、RAW264.7細胞にFH-T6発現ベクターを導入した安定発現細胞株を樹立し、得られたクローンがRANKシグナルによる破骨細胞への分化や、TLRシグナルによる炎症性サイトカイン産生が正常であることを確認した。さらに、Myc-TagあるいはHA-Tagを付加したK63型ユビキチンとFH-T6の両者を導入した細胞株を樹立した。現在、この細胞株を用いてTRAF6とK63型ユビキチンに付加したTagを利用した2段階精製を行い、活性化の指標であるK63型ユビキチン化TRAF6複合体を精製する方法について検討している。
|