2006 Fiscal Year Annual Research Report
新しく発見したボツリヌスD型毒素受容体PEと毒素との相互作用の解析
Project/Area Number |
18799011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
塚本 健太郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (80434596)
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Keywords | ボツリヌス菌 / 神経毒素 / 受容体 / 脂質 |
Research Abstract |
ボツリヌスD型神経毒素の受容体認識に関わる領域をアミノ酸レベルで解析するために、活性の異なる2種のD型毒素(003-9株由来、1873株由来毒素)重鎖C末端領域(Hc)のリコンビナント蛋白を作製し、さらにこれらのキメラ変異体、点変異体を数種調製した。結合活性を比較検討した結果、003・9株由来毒素分子内の1113番目から1138番目の領域が結合親和性を高めるのに重要であることがわかった。この領域内において、2種のHc間では6残基の違いが認められる。そこで、003・9株由来毒素のK1117(1117番目のリジン)、S1127、11129、K1135を1873株由来毒素の対応するアミノ酸残基に点変異させた結果、K1117の変異により結合活性は顕著に減少した。一方、S1127、11129は結合活性に影響しなかった。K1117は1873株由来毒素ではEに置換しており、電荷が正反対になっていることから、003-9株由来毒素分子内のK1117の正電荷が受容体への結合親和性に重要であると考えられた。これまで、他の型では受容体認識に関与するアミノ酸残基はC末端側に局在していると報告されているが、D型では他型とは異なり、C末端から約100残基以上N末端側に、結合親和性に関与するアミノ酸残基が存在していることが本研究により明らかとなった。現在、これらの蛋白の結晶構造解析を進めており、他型との違いをより明確にする予定である。また、リボソームとBIACOREを用いた結合解析実験では、ガングリオシド含有リボソームとC型Hcとの特異的な結合を観察することができた。PE含有リボソームとD型Hcの結合について、現在解析を進めている。
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