2006 Fiscal Year Annual Research Report
伸縮性コラーゲンを用いた歯根膜細胞の伸展培養と細胞配向制御した人工歯根膜の作成
Project/Area Number |
18800002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
永井 展裕 北海道大学, 創成科学共同研究機構, 特任助手 (30400039)
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Keywords | 細胞シート / 歯根膜 / 伸展培養 / コラーゲン / 鮭 / 細胞配向 / コラゲナーゼ / 重層化 |
Research Abstract |
1.コラゲナーゼ処理による細胞シート化 伸縮性コラーゲンをコラゲナーゼで消化して細胞シートを得るための(1)コラゲナーゼ処理条件、(2)コラゲナーゼ処理が細胞機能に与える影響を評価した。(1)についてはコラーゲン重量(mg)に対して50U/mgのコラゲナーゼ濃度で処理したときに最も効率よくコラーゲンを分解できた。(2)については50U/mgのコラゲナーゼ濃度で処理したときの細胞機能を評価した。その結果、細胞増殖性とアルカリフォスファターゼ(ALP)活性はコラゲナーゼ処理後も未処理と同等に維持されていた。また、免疫染色法の結果、細胞骨格タンパク質Actinは細胞全体に広がり細胞骨格を維持していた。また細胞間結合タンパク質βCateninは他の細胞と結合している細胞周辺部に存在しており、細胞間結合が維持されていた。以上より、コラゲナーゼ処理条件を50U/mgと決定し、その条件は細胞の機能に影響がないことを確認した。 2.細胞シートの重層化による人工歯根膜の作成 歯根膜細胞シートの作成とその重層化を検討した。まず歯根膜細胞シートを得るための培養条件を検討した結果、培養7日目以上でシームレスな細胞シートを得ることができた。次に培養7日目に得た細胞シートを3枚重層しミニ歯根膜組織の作成を試みた。その結果、重層後1日目に3重シートは一体化しミニ組織を作成することに成功した。また重層後の細胞機能を評価した結果、重層後7日目においてALP活性等の機能が低下していた。さらにミニ組織の切片を観察した結果、組織内部において壊死が起こっていた。栄養・酸素供給の限界が起きていると推定し、内部組織に毛細血管系を導入する検討を行っている。 3.伸縮性コラーゲン担体を用いた伸展培養 上記の内部壊死問題が明らかとなったため、伸展培養条件の検討をH19年度に持ち越した。現在、血管内皮細胞と歯根膜細胞を共培養し、血管新生条件を検討している。また、伸展培養条件も同時に検討中である。
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