2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18800017
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 剛 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 講師 (40420335)
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Keywords | コンピュータ将棋 / 定跡 / 手筋 / 探索 / n-gram / 自動調整 / 端攻め |
Research Abstract |
名人に勝つコンピュータ将棋の開発を実現するためには、序盤の改良、定跡の研究、評価関数の高精度化、探索の効率化などさまざまな課題が山積している。今年度は特に定跡の自動チューニングに関する研究と棋譜情報からの手筋自動抽出及びその利用について研究を行った。 将棋には定跡と呼ばれる,プロなどの研究の結果最善とされる手順が存在しており,それらの手順をデータベース化して用いることが可能である.しかし,将棋の定跡は網羅的に研究されてはおらず,プロの対局でも定跡外の手が指されることがしばしばある.このため,定跡局面において効果的に定跡データベースを利用することが重要となる.そこで,我々はプロレベルのプレイヤの棋譜から定跡データベースを自動構築し,コンピュータに適した定跡手が選べるよう調整を行った.我々は自己対戦から調整を行う手法を提案し,実験によりこの手法の効果を確認した. コンピュータ将棋はアマチュア五段の棋力に達したが、特定の手筋手順を効果的に読むことができないという問題点があり,特に人間プレイヤなら初段程度で十分に理解している「端攻めの手筋」などはほとんど効果的に読むことができていない.コンピュータ将棋を名人に勝つ棋力に導くためにはこのような苦手とする手筋を効果的に探索するアルゴリズムを構築し,より精度の高い探索がどうしても必要である.そこで本研究ではコンピュータ将棋が苦手とする手筋を題材とし,その性質の解析及び探索での効果的な利用についての研究を行った.まず部分的な局面パターンを利用した自動手筋獲得手法である部分局面n-gram法を提案し,棋譜から有効な手筋のみの獲得を行った.その結果,局面に対し有効な手筋をおおかた獲得することができた.また,得られた手筋を利用する一つの手法として部分局面n-gramキラー法を提案し,探索中の手筋手生成を行った.手筋を利用していないものと比較した結果,対戦実験において6割の勝率を収め,提案した局面パターンを利用した自動手筋獲得手法,及びその獲得した手筋が有効であることが分かった.
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Research Products
(1 results)