2007 Fiscal Year Annual Research Report
生後初期における社会的隔離が生後後期の経験依存的AMPA受容体のシナプスへの移行に及ぼす影響とその分子機構の解明
Project/Area Number |
18800037
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高橋 琢哉 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (20423824)
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Keywords | シナプス / 可塑性 / AMPA受容体 / バレル皮質 / 経験依存的 / 社会的隔離 / ストレスホルモン / アンタゴニスト |
Research Abstract |
本研究は社会的隔離が経験依存的AMPA受容体シナプス移行に及ぼす影響を調べるというものであり、本研究費を用いて以下の事が明らかになった。 1)経験依存的AMPA受容体シナプス移行が社会的隔離によって阻害される。 2)社会的隔離による経験依存的AMPA受容体シナプス移行阻害がストレスホルモン受容体のアンタゴニストによって阻害される。 3)ストレスホルモン受容体のアゴニストの投与によってAMPA受容体シナプス移行阻害が観察される。 4)社会的隔離を施したラットにおいてはひげーバレルのマップの乱れが観察される。 5)社会的隔離を施したラットにおいてひげーバレルのマップ依存的な行動に異常が見られる。 これらの成果により、ストレスがシナプスの成熟に及ぼす影響の分子メカニズムの一端が明らかになった。今後はそのシグナルメカニズムにさらに踏み込んで解析を進めていく。本研究はトラウマの分子細胞メカニズム解明につながる非常に重要なものである。
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