2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18800041
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
青木 朋子 熊本県立大学, 環境共生学部, 講師 (50433412)
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Keywords | 老化 / 脳・神経 / 神経科学 / 身体運動制御 / バイオメカニクス |
Research Abstract |
本研究の目的は、高齢者の手指の運動・感覚機能低下とその防止策を検討することである。18年度と19年度で、高齢者と若年者を対象に実験を実施するが、18年度はそのうち若年者群の実験を実施した。若年者群の被験者は、実験参加の同意を得られた18〜32歳の右利き健常青年12名であった。最速タッピング課題では、7秒間できるだけ速くしかも等間隔に、右手の指示された指でセンサーを叩くように指示した。1指の課題では人差指、中指、薬指、小指のうちの1指、2指の課題では人差指&中指、中指&薬指、薬指&小指の2指の交互でタッピングを行わせた。各指が発揮する力の測定には5台のフォースセンサーを使用した。また、1指課題時にはポジションセンサーによってタッピングを行う指の運動速度も計測した。各指の最大屈曲力発揮課題では、親指と各指とでフォースセンサーを摘ませ、3秒間の間に最大の力を発揮させた。ペグボードテストでは、手腕・指先検査版のペグをできるだけ速くひっくり返したときの所要時間を調べた。最大握力発揮課題では、右手で発揮できる最大握力を測定した。Von Frey触覚検査では、被験者が知覚することのできる最小の刺激(刺激糸の太さ)を調べた。その結果、1指課題時には人差指のタッピングが最も速く、薬指で最も遅かった。2指課題時には人差指&中指の組み合わせが最も速く、薬指&小指で最も遅くなり、我々の過去の研究と一致した。各指の最大屈曲力は人差指と中指が薬指、小指に比べて強かった。ペグボードテストに要した時間の平均値は51.9秒であった。最大握力の平均値は425.9Nであった。触覚閾値には指間に大きな違いは見られなかった。19年度は高齢者でも同様の実験を行い、両群を比較する予定である。また、楽器演奏等の運動習慣のある高齢者とそうでない者を比較し、手指の運動・感覚機能の老化防止策についても検討を加える。
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