2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本人における食品摂取パターンの評価手法に関する栄養疫学的研究
Project/Area Number |
18800049
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
大久保 公美 女子栄養大学, 栄養学部, 助手 (80407577)
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Keywords | 栄養学 / 食品摂取パターン / 因子分析 / 妥当性研究 |
Research Abstract |
これまでの栄養疫学研究における"単一"栄養素ならびに食品レベルでの評価手法に加え、日本人の成人における習慣的な食品の摂取傾向を総合的にとらえるための評価手法(食品摂取パターン)を確立し、その妥当性・再現性を検証するとともに解決しなければならない課題を整理することを本年度(初年度)の目的とした。 本年度に実施した研究は以下のとおりである。1.因子分析による食品摂取パターンの解析プログラムを確立するために、Medline (PubMed)の掲載誌を対象にDietary patternに関する国内外の研究成果を系統的・網羅的に収集し、まとめた。2.全国3地域の30-69歳の健康な夫婦(男女各96名)から協力を得て収集した、4季節4日間の合計16日間の秤量式食事記録と4季節に合計5回実施した自記式食事歴法質問票(DHQ)による食物摂取に関する既存データベースを用いて、妥当性を検証した(次年度も継続して実施の予定)。 研究1より115編の論文が得られ、因子分析に投入する変数の処理方法(サービング、重量など)、パターン(因子)の決定方法(カットオフ値、スクリー・プロット、解釈の容易さ)、回転の種類、因子数、食品構成など食品摂取パターンによる評価手法を確立するために不可欠な基礎資料が得られた。研究2では、食事記録とDHQ(1回目)から抽出された各食品摂取パターンの安定状況と食品の因子負荷量にいくつかの違いが見られた。この起因として、両食事評価法に共通して対象地域が大都市、沿岸部、内陸部とばらつきがあること、対象者数が少なく、年齢幅が比較的広いことが考えられた。また、使用した食事評価法が異なること、食事の評価期間が4季節4日間の食事記録に対し、DHQはある1季節の1か月間であることから、食品摂取量の季節変動が影響している可能性が示唆された。 本年度の研究により、食品摂取パターンの確立および妥当性研究に不可欠な知見と解決すべき課題が明らかとなった。
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Research Products
(2 results)