2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨格筋の不活動および老齢性萎縮へのアポトーシスの関与と運動刺激が及ぼす効果
Project/Area Number |
18800055
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
緒方 知徳 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 助手 (30434343)
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Keywords | apoptosis / skeletal muscle / atrophy / aging / unloading / ER stress |
Research Abstract |
本研究は,F1generation of Fischer 344×Brown Norwayラットを用い,不活動(成熟ラット+後肢懸垂)または老齢(32ヶ月齢)ラットにおける骨格筋内アポトーシスの発生および,その誘導に関するシグナル経路を明らかにすることを目的とし検討を行った. 成熟コントロールラットと比較して,不活動および老齢ラット嚥骨格筋では,TUNEL染色に陽性反応を示すアポトーシスが筋核/筋衛星細胞に対して顕著に誘導されていること明らかとなった.組織化学的にみると,老齢ラットではDNA断片化に関わる活性型Caspase-3や断片化PARPの局在が高いレベルで見られるものの,このような発現パターンは不活動ラットではほとんど確認されなかった.また,ウェスタンブロッティングを用いた生化学レベルでの分析においても同様に,不活動時と老齢化では異なるシグナルが活性化されており,1)不活動ラットではミトコンドリア膜透過性を制御するBcl-2が著しい低下が起こるが,老齢ラットではこのBcl-2の減少は見られないこと,2)小胞体へのストレス誘導時に活性化されるシグナルであるCaspase-12やCHOP/GADD153などの発現増加は,不活動時には見られず老齢化に特異的な変化であることが明らかになった. このような知見は,骨格筋におけるアポトーシス誘導には萎縮のタイプによって異なるシグナル経路が存在しており,不活動時にはミトコンドリア,老化時には小胞体を介したシグナルが深く関与することが示唆された.
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