2006 Fiscal Year Annual Research Report
3次元CT画像を利用した織編物構造分析のための糸位置情報抽出に関する研究
Project/Area Number |
18800064
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
篠原 寿広 近畿大学, 生物理工学部, 助手 (20434863)
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Keywords | 構造分析 / 3次元画像 / CT / 織編物 / 位置情報抽出 / セグメンテーション |
Research Abstract |
糸密度の高い織編物について、織編物の狭義組織分解、すなわち織編物を構成する糸同士の関係を復元できる各糸の位置情報抽出を目的とし、本年度は、1.繊維の方向推定手法の検証と繊維の再構成、2.再構成された繊維からの各糸の再構成を行った。 1.繊維の方向推定手法の検証と繊維の再構成 すでに提案している糸の方向推定法を繊維の方向推定に応用し、繊維の方向を推定できることを確認した。すべてのボクセルに本手法を適用し、繊維の方向ベクトル場を形成することができた。さらに、2つのボクセルにおける繊維方向の内積をボクセル同士の類似度として、この類似度からボクセル同士を結合することで繊維の再構成を行った。ただし、解像度や繊維の形状により、すべてのボクセルにおいて精度よく方向が推定できないが、推定精度の評価は容易であり、評価値を利用して繊維方向ベクトル場を形成することにより、この問題を解決した。 2.再構成された繊維からの各糸の再構成 再構成された繊維同士の距離(繊維同士がもっとも離れている距離)を非類似として、同一糸の繊維をまとめ、糸の再構成を行った。この非類似度により、繊維方向の推定誤差により正しく再構成されていない繊維は糸の再構成から除外できることも確認できた。 以上の成果をThe 32nd Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Societyにて発表を行った。また、各糸の再構成において新たな非類似度を追加し、さらに精度よく糸を再構成できることを確認し、2007 The IEEE International Symposium on Industrial Electronicsにて発表する予定である。また、研究計画にはないが再構成された糸の繊維の位置情報から各糸位置情報の抽出を試み、織編物の構造分析という目的を達成し得る情報が得られることがわかり、SICE-ICASE International Joint Conference 2006にて発表した。
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