2006 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソニズム患者における協調運動フィードバックが脳機能に及ぼす影響
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18800069
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
松尾 善美 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教授 (90411884)
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Keywords | パーキンソニズム患者 / 左右独立駆動エルゴメータ / 下肢協調運動障害 / 光トポグラフィー装置 / 脳血液動態 / 前頭前野 / 視覚的フィードバック / 変調 |
Research Abstract |
パーキンソニズム患者における左右独立駆動型エルゴメータでのペダリング運動時に変調を来たす下肢協調運動障害に対して、視覚的に運動時の左右位相差の提示と修正を行うことができる協調運動フィードバックプログラムによる協調運動の改善と脳機能の関連を明らかにすることが本研究の目的である。 平成18年度は、パーキンソニズム患者と健常者を対象に左右独立駆動型エルゴメータによるアシストモードによる自由ペダリング下にて前頭頭頂部の脳血液動態を6分間計測した。その後、実際の回転数と位置データより算出した左右間の位相差をリアルタイムで患者の目前に画面で表示し、位相差を改善する日的で作成された視覚的フィードバックプログラムにより、下肢の協調運動回復のため、エルゴメータによるペダリング運動中の脳血液動態を6分間計測した。脳賦活領域とその酸素動態より、運動フィードバック効果の関連についてパーキンソニズム患者と健常者のデータを加算平均処理後に差分t検定を行い、解析した。ペダル回転速度を視覚化したフィードバック情報を与えるとパーキンソニズム患者では右前頭前野の酸化ヘモグロビンおよび総血液量が有意に低下し、右運動野は逆に有意に上昇していた。患者はすべて右優位の症状を有し、左下肢でペダル運動の協調を回復させており、その際、視覚フィードバックプログラムの利用により、症状優位側前頭前野の活動は抑制された。パーキンソニズム患者の運動フィードバックには、症状非優位側に情報を与えることが有効である可能性が示唆された。平成19年度には、パーキンソニズム患者の下肢協調運動障害に対する視覚フィードバックの機序について検討する予定である。
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