2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18800070
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
山本 大誠 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助手 (10411886)
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Keywords | リハビリテーション / 認知科学 / 脳・神経 / 運動 |
Research Abstract |
脳機能計測装置である光トポグラフィを用いて身体運動と脳機能の客観的検討を行うために、本年度は身体運動および脳機能に関わる文献の分析を中心に調査を行った。文献調査は、「身体運動」、「脳機能」、「前頭前野」、「認知機能」、「光トポグラフィ」をキーワードに国内外の雑誌および単行本を収集し、従来の研究成果の総括を試みた。 1.研究の概要 研究の一般化可能性を高めるための組み入れ基準を満たした論文の総数は24編であった。光トポグラフィは無侵襲かつ無拘束とされているが、障害がある対象者への刺激や課題による脳血液動態を把握する取り組みは、対象者の受容性の問題や刺激や課題の確立性および脳血液動態の解釈に関する問題などから、これまで研究の蓄積が十分ではないことが明らかになった。24編の文献のうち、障害かおる対象者に介入を行った研究論文は13文献であった。対象は、脳血管障害(4編)、乳児・新生児(3編)、精神疾患患者(2編)、難治性てんかん(2編)、手術予定患者(1編)、事件被害者(1編)であった。 2.研究方法論 光トポグラフィの解説に関する文献から、その原理・特徴・適応を整理した結果、光トポグラフィが種々の介入による脳機能計測に応用可能であることが明らかになった。また、光トポグラフィは、これまで困難であった痛みや困難さなどの主観的感覚を客観的かつ定量的に評価できる可能性かおることが示された。 3.研究可能性 光トポグラフィは、これまで不可視であった脳局在の神経活動を捉えることにより、脳機能の経時的変化を客観的データとして処理ができ、脳科学研究のフィールドと研究可能性を拡大させる装置の一つであることが明らかになった。しかし、光トポグラフィによる脳機能の計測は、得られた信号の意味の理解など種々の問題点かおり、さらに研究実施計画を十分に検討する必要性が示された。
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