2006 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類進化におけるPEG10の挿入時期とインプリンティング領域の解析
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18810011
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 俊介 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任教員 (30431951)
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Keywords | インプリンティング / 有袋類 / 単孔類 / 哺乳類 / PEG10 / レトロトランスポゾン / 国際研究者交流 / オーストラリア |
Research Abstract |
単孔類と有袋類におけるPEG10の有無を調べるため、PEG10の両隣の遺伝子であるSGCEとPPPIR94の間のゲノム配列を決定した。その結果、有袋類であるタマーワラビーのゲノム中にはPEG10が存在したが、単孔類であるカモノハシのゲノム中には存在しないことが明らかになった。このデータは、マウスにおいて胎盤形成に必須であるPEG10遺伝子は、卵生哺乳類である単孔類が胎生哺乳類の共通祖先から分岐した後にレトロトランスポゾンとしてゲノムに挿入し現在の機能を獲得したことを示唆しており、レトロトランスポゾンの挿入が哺乳類の胎生進化における非常に重要な因子の一つであったことが考えられる。有袋類におけるPEG10の遺伝子構造は、遺伝子内部とタマーワラビー胎仔cDNAの5'または3'末端に付加したアダプター配列との間でRT-PCRを行う5'RACEおよび3'RACE実験により決めた。その結果、有袋類PEG10のエクソンイントロン構造や予想されるアミノ酸配列は、真獣類であるマウスやヒトのPEG10と非常に高度な保存性を示すことがわかった。従って、真獣類と異なったタイプの胎盤をもつ有袋類においても、PEG10が何らかの役割を果たしており、哺乳類の胎生進化の比較的初期の段階に貢献した可能性が高いことが考えられる。また、有袋類におけるPEG10周辺遺伝子(SGCE, PPPIR9A, ASB4)を、同じ有袋類であるオポッサムを含む多種間で保存された配列にプライマーを設計しPCRで増幅した。その後、今後の実験に必要である多型頻度が比較的高いと考えられるUTR配列を含む領域をRACE実験により決定した。
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