2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト人工染色体を用いた脆弱X症候群のCGGリピート伸長機構の解析系の構築
Project/Area Number |
18810020
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
中山 祐二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助手 (40432603)
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Keywords | ヒト人口染色体 / 脆弱X症候群 / トリプレットリピート病 |
Research Abstract |
平成18年度は、変異レベルにまで延長したCGGリピートを持つ脆弱X症候群(FRAX)患者由来のX染色体を、マウスA9細胞へ、さらにニワトリDT40細胞へと導入し、人工染色体構築のための基盤資材を作製する過程が中心であった。本研究において染色体導入法は重要な手技であり、どの段階においても、単一の染色体が安定に導入された細胞を得ることが重要である。平成18年度の研究計画は、主に三つのセクションに分けられ、現在ステップ3)に差し掛かった段階であり、計画達成度は七割程度であった。 1)FXS患者由来の線維芽細胞とマウスA9細胞の細胞融合 マウスA9細胞はコルセミドにより微小核を効率よく形成するため、微小核を介した細胞融合をベースとする我々の染色体導入法には欠かせない細胞である。目的の資材を得るために、ヒトFRAX患者由来の線維芽細胞とマウスA9細胞を融合し、核型が比較的安定している雑種細胞を3クローンを樹立した。 2)雑種細胞からの、ヒトFXS患者由来のX染色を一本保持するマウスA9細胞の作製 ステップ1)で得られた雑種細胞をドナーとして再び染色体導入法を行い、ヒトFRAX患者由来のX染色体またはその断片を一本、安定に保持するマウスA9細胞を得ることができた。導入された染色体はFISH法およびPCR法にて確認している。染色体導入法は確立された技術ではあるが、ステップ2)において、安定に患者由来のX染色体を保持するマウスA9細胞クローンがなかなか得られなかったことが計画遅延の要因であった。 3)X染色体FMR1領域のHAC搭載に向けた染色体改変 ステップ2)で得られたA9細胞に含まれるFRAX患者由来のヒトX染色体は、ニワトリDT40細胞内で人工染色体への組み換えのために必要な染色体改変(具体的にはloxPサイトの導入)を行う必要がある。今年度前半にもこのステップ3)をクリアする。
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