2006 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖へ流入する融雪深層密度流の定量的な把握に関する研究
Project/Area Number |
18810025
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
長谷川 直子 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (60433231)
|
Keywords | 海洋物理・陸水学 / 水圏現象 / 自然現象観測・予測 / 密度流 / 溶存酸素濃度 / 融雪 |
Research Abstract |
本研究では、琵琶湖北部の多雪地域にあり、琵琶湖へ流入する主要な河川である姉川からもたらされる融雪起源の冷たい密度流が、琵琶湖の深層環境に与える影響を把握することを目的としている。 本研究をスタートした2006年11月には姉川河口で川枯れが起きていた。12月中旬になり姉川の水量が回復した。2/22に姉川本流、高時川(いづれも両河川との合流直前)、両河川合流後湖流入後の計3地点に自記水温計を設置し水温の連続観測を行なっている。12月から1月のデータによると河川温度は5℃〜9℃で変動しており、この時期の琵琶湖の表層水温(11℃)と比べても既に低く、流入河川水は深層へ沈み込むことが予想される。 船上観測は2007 1/25、2/5、2/26、2/27、3/15、3・29、4・10、4/12に行なった。1/25には姉川河口域において密度流がどの方向へ流入するかを把握するため、姉川河口近傍の4地点で表層から深層までの水温、溶存酸素濃度、濁度を測定した。その結果、姉川河口の砂州が大きく開いている河口から南西方向に河川水は流入し、35m深の地点では最深部に溶存酸素の高い水塊がみられることが確認された。この高酸素水が姉川からの流入水である可能性がある。酸素濃度が高い水は適宜採水した。溶存酸素濃度の高い水が本当に姉川起源の水であるか、今後採水した水を各種化学分析し、検討する。他の観測日も含めて、同じ地点でも日によって流入水が確認できた日とできなかった日があった。 上述の観測により、ある程度姉川流入水の流入方向(姉川河口から南西方向)が確認できた。そこで、湖上観測によって流入水と見られる水塊が見られた方向から延長線上の推進60m地点に、電磁流速計(湖底直上)と自記水温計(鉛直方向に8深度)を2007/2/15に係留し、流入河川水の挙動の時間変化に関する連続観測(30分間隔)を行なっている。この測器は2007年4月末に回収しデータ解析を行う予定でいる。
|