2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶を用いた量子情報デバイス実現に向けた超低損失情報処理に関する研究
Project/Area Number |
18810026
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
二瓶 裕之 北海道医療大学, 薬学部, 准教授 (70433422)
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Keywords | フォトニック結晶 / 量子コンピュータ / 量子エレクトロニクス |
Research Abstract |
本研究では,フォトニック結晶に埋め込まれた原子を用いた量子情報デバイスの実現を目指して,量子情報処理の過程で発生する情報損失を極めて低減させる方法を明らかにすることである.平成18年度においては,コヒーレント制御により,原子の励起状態に発生しているラビ振動をとめられることを明らかにした. 具体的には,まず,フォトニック結晶に埋め込まれた原子の放射スペクトルを計算したが,ここでは,原子の共鳴周波数の1つがフォトニックバンドギャップ(PBG)の内部にあることと,コヒーレント制御のためのcwレーザを照射することを仮定した.この結果,PBG内部にパルス上のスペクトルピークとダークラインが発生することがわかった.更に,原子にパルスを照射することでダークラインの発生周波数を変えられること,そして,cwレーザの位相を変えることでダークラインを生成したり消滅したりできることを明らかにした. 次に,スペクトルピークとダークラインとがチューニングしている場合の放射スペクトルを計算した.この結果,ダークラインがチューニングしているときに,cwレーザの位相を変化させる(コヒーレント制御)ことでスペクトルピークを消せることがわかった.これにより,原子の共鳴周波数をフォトニックバンドギャップ(PBG)内部においたまま原子の励起状態をコヒーレント制御できることが明らかとなった.PBG内部で励起状態を制御することで,励起状態の緩和を強く抑えることができ,この結果を応用することで,情報損失を強く抑制したまま量子情報処理を実行することが可能となる.
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Research Products
(4 results)