2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18810032
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
神岡 武文 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (00434332)
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Keywords | ナノ表面界面 / ビーム応用 |
Research Abstract |
試料表面を水素終端処理のための機構の開発、および観察技術の構築を行った。本年度の計画は当初以下の2項目を予定としていた。(1)超高真空STM装置へのガス導入機構の組み込み、(2)試料表面近傍におけるクラッキング機構の組み込み。しかし、実際には来年度に行う予定のものも含め一部順番を入れ替えて行った。(a)水素ガス導入機構の設計、(b)水素終端表面の作製技術の構築、および(c)水素終端表面のSTM表面観察技術の構築である。設計から実際の物品調達・作製の段階で、本年度予算・時間を超過する見込みを得たため、実験の順番を入れ替え、来年度以降速やかに継続できるよう準備したためである。 (a)水素ガス導入機構では試料直前に伸びるノズルを可動式にした設計にした。(b)表面を乾式(真空中での処理)で作製する前に、予備実験として湿式(溶液処理)による水素終端表面を作製しSTMによる観察・評価を行った。溶液処理による手法は、比較的多数報告があるため、予備実験としてこれらの手法の追試を行った。溶液処理においては洗浄プロセスにおける汚染除去が非常に重要であり、本研究室の実験環境下でも実現できるよう以下の点に留意して行った。専用治具を設計・作製、および過硫酸アンモニウムによる実験器具の煮沸処理などを徹底する。溶存酸素濃度の小さな(50ppb以下)の超純水の使用により表面のエッチピットを低減させ、溶存酸素濃度の小さなフッ化アンモニウム溶液の使用によりステップ形状を一様にする。この結果、均一なステップ&テラス構造を有する表面の作製に成功した(AFMで評価)。また、(c)この水素終端表面のSi(111)1X1-H構造をSTMにより観察した。これにより、今後真空雰囲気中で直接水素終端表面を準備できれば我々の用いる装置で観察できることが確認できた。引き続き、ガス導入機構のSTM装置への組み込みを続ける予定である。
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