2006 Fiscal Year Annual Research Report
薬用食品を素材とした肝糖代謝亢進作用を標的とする新規抗糖尿病作用成分の探索
Project/Area Number |
18810035
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
二宮 清文 近畿大学, 薬学総合研究所, 助手 (10434862)
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Keywords | 肥満 / Rosa canina / trans-tiliroside / 内臓脂肪 / PPAR-α |
Research Abstract |
申請者な本課題の研究において約80種類の薬用食物由来抽出エキスに対してマウス初代培養肝細胞中の中性脂肪含量に与える影響を指標にスクリーニング試験を実施した.その結果,Rosa canina果実(ローズヒップ)から得られる抽出物が肝細胞中の中性脂肪含量を有意に低下させることを明らかにした. ローズヒップ(果実)は,果皮(果肉)および種子から構成されることから,主薬理活性成分を含有する部位を明らかにする目的で,それぞれ当該部位から得られる抽出物の薬理活性について,成熟マウスでの2週間連続投与試験での体重推移,内臓脂肪重量および摂餌量などに与える影響を検討した.その結果,種子由来抽出物は摂餌量に影響を与えることなく体重および内臓脂肪の増加を抑制することを明らかにした.そこで,各種クロマトグラフィーにより種子由来抽出物中の含有成分を精査した結果,traps-tilirosideなどの6成分を単離・同定した.これら成分の内,主成分trans-tilirosideのマウスへの連続投与試験の結果,本化合物は体重および内臓脂肪の増加を抑制するだけでなく,本化合物の投与は,糖負荷試験での,耐糖能についても有意に改善させることを明らかにした.次に本薬理活性の発現に必須な構造を明らかにする目的でtrans-tilirosideの部分構造であるkaempferol-3-O-glucoside, kaenpferolおよびp-coumaric acidとの薬理活性を比較検討した.その結果,kaempferol-3-O-glucosideにp-coumaroyl基が結合した構造が重要であることを明らかにした.また,trans-tilirosideのマウスへの経口投与(単回投与)は,脂質代謝酵素群の発現を制御する核内受容体型転写因子PPAR-α mRNAの発現を増加させることを明らかにした.
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Research Products
(1 results)