2006 Fiscal Year Annual Research Report
巨大災害時の遺体の処置・埋火葬時間の試算と広域火葬応援の研究
Project/Area Number |
18810036
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
舩木 伸江 神戸学院大学, 学際教育機構, 講師 (50434915)
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Keywords | 火葬 / 広域災害 / 遺体処置 / 被害軽減 / 相互支援 |
Research Abstract |
2006年度は、国内(阪神・淡路大震災)及び海外(アメリカ同時多発テロ、スマトラ島沖地震津波、ハリケーンカトリーナ)の資料収集及びヒアリング調査を行い、現状把握を重点的に行った。 国内での調査は、阪神・淡路大震災当時の事例調査を継続して行うために、震災資料を保有する人と防災未来センターでの文献収集、及び当時の担当者へのヒアリング等を行った。阪神・淡路大震災当時は遺体の処置において検視が人手不足で困難であったことが伺えるが、阪神・淡路大震災は家屋の倒壊による自宅における死者が多いため、日ごとに検視の時間の減少が見られた。しかし、現在懸念されている東海・東南海・南海地震における死者想定は津波による被災原因であるため、津波災害や水害など国外での事例の収集の必要性も痛感した。また、火葬場の都市ガス化(近代化)に伴い、火葬場におけるライフラインの重要性も浮き彫りとなった。 国外では、2001年のアメリカ同時多発テロ、2005年のアメリカハリケーンカトリーナ災害など事例が多くある。これらの事象における調査を行うため、ヒアリング調査及び文献収集を行った。アメリカ同時多発テロでは、現在でもいまだ検視は続いており、遺体の損傷が激しい場合の検視の難航状況を確認した。また、アメリカのハリケーンカトリーナ災害においても同様に検視担当者へのヒアリング調査を行った。また、心理学者との意見交換等からこれら2つの災害は人為災害と自然災害と原因が異なり、遺族の「死」への考え方の微妙な違いがあることを感じた。アメリカにおいて遺体の処置は問題視されているが火葬ではなく埋葬であり土地も広大なため問題とは発展していなかったが、遺体の処置は非常に間題視されており、改善も進みつつあることが確認された。
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