2006 Fiscal Year Annual Research Report
淡水域におけるコイヘルペスウィルスの生残に関わる環境因子の解析
Project/Area Number |
18810040
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
松井 一彰 総合地球環境学研究所, 研究部, プロジェクト上級研究員 (40435532)
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Keywords | 野外環境疾病 / コイヘルペスウイルス / 環境因子 / 水域生態系 / ウイルス動態 |
Research Abstract |
環境中におけるコイヘルペスウィルスの動態と環境因子の関係を明らかにするために、以下の順序で研究を進めた。1.まず世界各地でのコイヘルペスウィルスの発生および検出に関する報告を経時的に整理し、コイヘルペスウィルス病の歴史とその発生に関連があると思われる環境因子の抽出を試みた。特にコイヘルペスウィルスの報告が早かったヨーロッパの資料を中心に作業を進めた。この作業を通じて環境因子とコイヘルペスウィルスの関連性についてはほとんど関連づけて考察されていなかった事が明らかになった。2.次に環境中よりコイヘルペスウィルスを回収する方法の検討を行った。環境中に存在するコイヘルペスウィルスを回収する方法については全く報告が無い事を受けて、他の病原性ウィルスの環境水からの検出方法を整理し、コイヘルペスウィルスの回収に応用する事ができそうな回収方法を文献的に検討した。3.以上の項目1.2.で整理した事を、淡水域における野外ウィルス疾病問題としてまとめ、イギリスのFreshwater Biology誌に報告した(現在改訂中、2007年末出版予定)。4.2.で検討したコイヘルペスウィルスの回収方法の具現性について、野外環境水を用いた検討を開始した。5.魚病学分野で報告されているPCR法によるコイヘルペスウィルス検出方法を利用して、野外環境水および、野外に生息するコイからコイヘルペスウィルスを検出する方法の検討を開始した。野外に生息するコイについてはPCR法を利用した検出方法が有効であることが確認できた。4.5.の項目については2007年度に引き続き検討をおこなっていく。
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Research Products
(5 results)