2006 Fiscal Year Annual Research Report
情報伝達蛋白質Raf1の分子内構造変化と活性調節の相関の細胞内1分子可視化解析
Project/Area Number |
18810042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
日比野 佳代 独立行政法人理化学研究所, 佐甲細胞情報研究室, 協力研究員 (40435673)
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Keywords | 生物物理 / 1分子可視化解析 / 細胞内情報伝達反応 / セリン / スレオニンキナーゼ / 分子内構造変化 / 緑色蛍光蛋白質 / Ras / Raf |
Research Abstract |
細胞の増殖や分化に関わる重要な細胞内情報伝達反応の一つ低分子量G蛋白質Rasからセリン/スレオニンキナーゼRaf1への情報伝達反応機構を分子レベルで明らかにすることをめざし、今年度はRaf1の活性調節に重要だと考えられている分子内構造変化を生きた細胞内で検出するためのプローブと、このプローブを細胞内1分子可視化解析するための基本的な実験系を構築した。 Raf1の構造変化プローブの作成は、蛍光エネルギー移動(FRET)の原理を利用した既存のプローブをもとにして、プローブ中の蛍光蛋白質を1分子可視化可能な蛍光蛋白質に置き換えることにより実現した。 このRaf1構造変化プローブを一般的な培養細胞であるHeLa細胞に発現させ、プローブのFRET信号を多分子計測することで、Raf1の分子内構造変化を新しいプローブで検出できることを確認した。この成果を、2006年11月、East Asia Biophysics Symposium & Annual Meeting of the Biophysical Society of Japanで発表した。 さらに、開発済みの倒立型全反射蛍光顕微鏡とダブルビュー光学系を改造し、Raf1構造変化プローブのFRET信号を1分子で検出するための実験系を開発した。この実験系を用いて、個々のRaf1の分子内構造変化を生きた細胞内でFRET信号の時間変化として可視化することに成功した。
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