2006 Fiscal Year Annual Research Report
配偶者不在の家族にみる社会形態の変化-性と結婚をめぐる東アフリカ二社会の比較研究
Project/Area Number |
18820012
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教 (20431968)
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Keywords | 家族・親族 / 寡婦 / 未婚の母 / 慣習的規範 / 結婚 / ウガンダ / ケニア / 社会変化 |
Research Abstract |
今年度は、私がこれまで調査を行なってきたケニア・ルオランドの調査村における継続調査と、ウガンダにおける新しい調査地での調査開始にむけての下調査、それにともなう植民地時代以降の文献調査を行なった。 (1)ウガンダ・ランゴ社会に関する情報収集 国内においては、今年度より新たに研究を着手するウガンダ・ランゴ社会について、東京外国語大学、国立民族学博物館、京都大学アジア・アフリカ地域研究センターの研究者と現在のウガンダの政情、各民族についての情報交換、また当施設にて文献調査行った。 (2)英国植民地政府がケニア・ウガンダに施行した諸政策の調査 イギリス公文書館において、調査実施予定のランゴの人びとが居住する地域における植民地政策の概要を植民地政府作成の地図、報告などの行政文書を調査した。地図にかんしていえば、各「民族」のおおよその居住地域がしめされ、また地域によっては詳細な地名をふくむ、項目ごとに色塗りし整理を試みたハンドライティングの地図がみられた。今後、ウガンダにおけるイギリス植民地政策の具体的な実施年とそれぞれの「民族」への影響等を追加調査するための下準備となった。 (3)ケニア・ルオ社会、ウガンダにおける実地調査 ルオ社会においては、寡婦世帯についての継続調査と、とくに未婚の母と非嫡出子の処遇に関する調査に着手した。ルオ村落においては近年、急速に未婚の母の数が増加していることが今回の調査でも明らかになった。今後、引き続き未婚の母となった背景であるセクシュアリティの変化と、彼女たちをとりまく家族の反応をふくめ、未婚の母となった女性の生活選択について追っていく必要性がある。 ウガンダにおいては、国内の政情とルオー系民族の居住地域についての治安、安全性にかんする情報を収集し、カンパラにおいては文献収集を行なった。
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Research Products
(10 results)