2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18820019
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
乙黒 亮 福井県立大学, 学術教養センター, 講師 (00433201)
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Keywords | 一致 / 素性 / 形態論 / 統語論 / LFG / 朝鮮語 / アラビア語 / アイスランド語 |
Research Abstract |
本年度の実績は、大きく3つに分けられる。1つ目は、LFGにおける形態部門と統語部門の精密な形式化である。LFGの写像原理を使い、形態的素性が統語的素性と別の構造を成すことを論じ、迂言的構文を含む活用形が形態部門でどのように具現化されるか、また統語部門にどのように入力されるかを示し、雑誌論文として発表した。2つ目は、プロジェクトで扱う分析対象のデータの整理である。主に朝鮮語の尊敬表現に関する一致、現代アラビア語名詞句内の限定性に対する一致、同じくアラビア語で数詞が性の一致に関して極性を引き起こす現象に関してまとめ、先行研究を調べた。3つ目に、これらのデータのLFGによる分析を行った。一致素性がINDEXとCONCORDの2つのタイプを含むこと、前述した通り素性には形態的素性と統語的素性が存在すること、また名詞句内の一致に関しては、コントローラーが固有の一致素性を有する可能性があること、などを中心にまとめ、2つの章立てをして、執筆を行った。これらはAgreement in LFGというタイトルの研究書に収録される予定である。現在共著者による他の章の執筆と、共同で終了箇所に関するチェックを行っており、終了次第出版準備に入る予定である。また、これらのプロジェクトの中心課題に加え、以前行ったアイスランド語の一致のコントローラーが変化する現象に関する研究を、国際誌に投稿した。現在は査読結果に従い、主に形式化に関して修正中であり、プロジェクトの終わりまでに、再度提出することとする。
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