2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18820032
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田村 容子 早稲田大学, 付置研究所, 助手 (10434359)
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Keywords | 中国文学 / 中国演劇 |
Research Abstract |
二十世紀初頭より、中国の伝統劇は、近代合理主義的理念に立脚した新作の創作を開始する。その後現在にいたるまで、中国では一貫して演劇が重要な民衆教育メディアとして見なされており、伝統劇・現代劇の別に関わらず、積極的に新作の創作が続けられている状況にある。本研究は、この現象に着目し、二十世紀中国演劇の近代化を伝統劇における新作の創作という視点から読み解こうとするものである。とりわけ、上海・北京の両大都市圏における新作上演状況の多角的な分析を通じ、その全体像を明確にすることを目的とする。 初年度である本年は、下記の研究活動を行った。 ・清末から中華民国初期の上海における上演状況調査として、当時の絵入り新聞である『点石斎画報』より画像資料の抽出、データ入力。(4-7月) ・20世紀末から21世紀にかけてあらわれた、伝統劇の手法を解体・再構築する試みについての研究として、論文「解読李六乙作品:超越話劇/戯曲的境界」作成。(8-9月) ・中国(上海)におけるフィールドリサーチ。(10月) ・中国(香港)「国際芸評検討会Intemational Association of Thetre Critics 2006」にて論文「解読李六乙作品:超越話劇/戯曲的境界」発表。(10月) ・中華民国期の北京・上海における上演状況調査として、福地信世画「支那の芝居スケッチ帖」(早稲田大学演劇博物館所蔵)の考証作業を行う。(10-12月) ・「支那の芝居スケッチ帖」の調査成果として、論文「福地信世『支那の芝居スケッチ帖』研究-梅蘭芳のスケッチを中心に」作成。(1月) ・中国(漸江・上海・北京)におけるフィールドリサーチ。(1月) ・論文「福地信世『支那の芝居スケッチ帖』研究-梅蘭芳のスケッチを中心に」発表。(3月)
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