2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18820038
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Research Institution | Kanazawa Gakuin University |
Principal Investigator |
小嶋 芳孝 Kanazawa Gakuin University, 美術文化学部, 教授 (10410367)
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Keywords | ロシア沿海地方 / 遺跡 / 遺物 / 渤海 / 成分分析 / 非鉄金属 / 製作技法 / 土器編年 |
Research Abstract |
調査経過 遺跡踏査:9月16日〜30日:前半はクラスキノ城跡で沿海地方南部の渤海遺跡を調査し、後半はニキーチン氏の作成したデータベースにより沿海地方北部を踏査し、遺跡の確認をした。 遺物の分析:昨年度借用したゴルバトカ城跡とクラスキノ城跡の遺物を実測・写真撮影した後、成分分析と保存処理を実施した。これらの遺物は、11月18日〜25日に県立歴史博物館で展示した。借用遺物は、11月にウラジオストクからイブリエフ氏を招へいして返却した。 土器調査:4月29日〜5月3日にハバロフスク市考古学博物館を訪問し、沿海地方北部とアムール河中下流域における7〜10世紀代の土器を調査した。また、平成20年2月11日〜15日には、ウラジオストクの極東工科大学でチエルニヤチノ5遺跡出土土器を調査。 調査成果 遺跡踏査:沿海地方北部は、南部に比べて遺跡分布が希薄なことを確認した。また、錫・鉛などを産出するダルニエゴルスク付近が、古代の非鉄金属供給地になっていた可能性を確認した。 遺物の分析:成分分析で、器種により錫・鉛・銅の成分比が異なることを確認。また、日本製と推定していたクラスキノ城跡出土の石帯が、製作技法の観察から日本製の可能性が低いことを確認した。土器調査:渤海の土器が、8世紀代に粘土紐巻き上げ技法からロクロ使用技法へ技術転換していたことを確認でき、渤海の土器編年を確立する上で重要なてがかりを得ることができた。
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