2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18820049
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
東谷 智 甲南大学, 文学部, 講師 (10434911)
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Keywords | 京都所司代 / 行政機構 / 上方支配 / 譜代大名 |
Research Abstract |
本研究は、従来全く検討が成されてこなかった、京都所司代に就任した大名が形成する行政機構について明らかにするものである。具体的には、行政機構形成を検討できる史料の所在調査と収集を第1の目的とし、収集した史料を分析することが第2の目的である。 本年度は、『旧華族家史料所在調査報告書』(学習院大学史料館)をもとに、京都所司代に就任した譜代大名について、史料の伝来状況を調査した。いくつかの史料所蔵機関には、京都所司代関連の史料の有無を確認するため、史料の所蔵状況、公開状況、目録の刊行状況など、基本的な情報を集めた。また、当該大名の京都所司代就任に関わる論文や自治体史についての調査も行った。上記調査の結果、主要な史料目録や文献を収集することが出来た。 上記の基礎作業に基づいて、常陸国土浦藩土屋家文書(国文学資料館)、江戸幕府伝来史料(国立公文書館)、信濃国上田藩松平家文書(長野県上田市立図書館)、越前国鯖江藩間部家文書(鯖江資料館、福井県立文書館)などの調査を行い、写真撮影、写真帳のコピーなどによって関連史料を収集した。 収集史料については現在分析中であるが、収集した史料によって、従来不明であった所司代の行政機構を明らかにすることが可能である。また、京都所司代赴任中の大名は、国元、江戸、京都の3カ所に行政拠点があるが、これらの拠点の中で、どのような意思決定が成されるのか、という点についても解明可能である。収集史料の検討を進めつつ、上記の点について明らかにすることを次年度の課題としたい。
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