• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2007 Fiscal Year Annual Research Report

岡山県に残された朝鮮通信使の足跡の解明-芸術学的観点からの研究-

Research Project

Project/Area Number 18820051
Research InstitutionSeinan Gakuin University

Principal Investigator

尹 芝惠  Seinan Gakuin University, 国際文化学部, 講師 (40435037)

Keywords美術史 / 芸術学 / 朝鮮通信使 / 日韓交流 / 比較文化 / 地域史研究 / 東アジア / 近世
Research Abstract

本研究では,岡山県に残された朝鮮通信使の足跡について,主に絵画作品を中心に調査研究してきた。岡山藩における通信使の宿館であった牛窓の本蓮寺には,多くの墨跡や調度品が残されている。このことは,従来から知られてきたことではあるが,本研究における聞き取り調査において,第二次大戦中に憲兵がその遺物を持ち去って破壊しようとしていた事実が明らかとなった。このことは逆説的に,通信使が先進文化を伝えたことが周知の事実であったことを物語っている。破壊をおそれて遺物を隠匿し,また通信使を話題にさえ出さなくなったために,同じく牛窓に伝わる「唐子踊り」はいまだに伝承経路さえ明らかにされ得ないのであろう。また,四宮家から船団図が発見された下津井,あるいは足守においてもフィールドワークを展開したが新たな成果を上げることはできなかった。本研究において特筆すべきは,倉敷市連島にある宝島寺における調査である。「米友仁を倣う」と但し書きされ「李金谷」の落款がある水墨山水画,王勃『滕王閣序』の一節を屏風に仕立てたものに関しては,寺に残された文献には通信使との関わりが示唆されているものの,真偽のほどは不明である。とりわけ後者は,詩の途中から書き始められていること,誤字脱字があること,詩の連の順番を間違えていることなどから,偽作の可能性が高いが,そうでなければ使臣の誰かが練習用に書したものを日本人がこっそり持ち帰り寺に寄進したのではないかと推測される。制作年代の特定が急がれる。また,第10回の朝鮮通信使の随行員朴敬行らと岡山藩士近藤篤との筆談集『停嵯邂逅録』,および「矢上山」の扁額が第10回の朝鮮通信使に随行した金啓升の手によるものであることも久しく忘れられていた(李元植による詳細な目録,「筆談唱和集総目録」や「通信使の遺墨」にも記載されていない)が,本研究において再び明るみに出された。

  • Research Products

    (3 results)

All 2008 2007

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] 近世日本の絵画作品における朝鮮通信使の描き方-楽隊とその衣装に注目して2008

    • Author(s)
      尹 芝恵
    • Journal Title

      美学 232号(6月掲載決定)

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 異国を見る眼-朝鮮通信使にまっわる絵画を通した日韓比較文化研究2007

    • Author(s)
      尹 芝恵
    • Journal Title

      鹿島美術研究 24号

      Pages: 356-366

  • [Presentation] 日本人の目に朝鮮人はどのように映ったか-朝鮮通信使の楽隊に注目して2007

    • Author(s)
      尹 芝恵
    • Organizer
      朝鮮通信使関係地域史研究会
    • Place of Presentation
      静岡市清水テルサ
    • Year and Date
      2007-05-19

URL: 

Published: 2010-02-04   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi