2006 Fiscal Year Annual Research Report
Social Narrativesを応用した自閉症スペクトラムの社会性スキル支援
Project/Area Number |
18830006
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
萩原 拓 北海道教育大学, 教育学部, 助教授 (00431388)
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Keywords | 特別支援教育 / 自閉症スペクトラム / 発達障害 / 社会性スキル |
Research Abstract |
平成18年度期間、本研究は自閉症スペクトラム(ASD)の社会性スキルの獲得・向上を対象とした支援法、Social Narrativesの確定に重点を置いて活動した。具体的活動内容は以下の通りである。 ・Social Narrativesの確定 Social Narrativesは、叙述形式をとった、ASDの社会性スキルの教育支援法の総称である。国内外の実践報告、その他の文献によって、現段階では、(1)ソーシャルストーリー、(2)Social Scripts、(3)Power Cards、(4)Hidden Curriculum、(5)SOCCSS、(6)マンガを用いた支援などがSocial Narrativesに含まれると思われる。しかし、これらの支援法はそれぞれ独立したものではなく、これらのうちいくつかの支援法を組み合わせた、さらに他の支援法(Positive Behavior Supports、環境支援、家族支援等)を併用していく包括的な支援形態が、実践においては必要であることがわかった。しかし、国外の資料検討はまだ不足しており、これは平成19年度初期の課題になる予定である。 ・テクノロジーの応用 本研究では、Social Narrativesの検討と平行して、テクノロジー、特にコンピュータを利用した社会性スキル支援を第二の目的としている。平成18年度は、インフォーマルな形ではあるが、スクリプト形式の文章を音声・動画と組み合わせたものをマイクロソフト社パワーポイント上で作成してみた。支援者にとって作成しやすいかという点であるが、コンピュータの基本的知識・技術さえ獲得すれば、高度なテクニックは必要ないほど現在のソフトウェアの操作性は向上していることが確認された。よって、現時点では、このような試みには特別なソフトウェアを開発する必要性はないと思われる。 本研究の最終目的は、Social NarrativesがASDをもつ人々にとって有効であるか、また、その実践はどのようにするのかを明らかにすることであり、平成19年度はこのことに焦点を当てて本研究活動を展開していく。
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