2006 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける「フレネ技術」を導入した異年齢学級と、日本の複式学級との比較
Project/Area Number |
18830011
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂本 明美 山形大学, 教職研究総合センター, 講師 (40400535)
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Keywords | フレネ技術 / フレネ教育 / 異年齢学級 / 複式学級 / 協同 / 協働 / 学習材 / フランス |
Research Abstract |
平成18年度の主な研究内容は、次の二つの柱である。1.フランスで「フレネ技術」(フレネ教育)を導入している異年齢学級として、ヴァンスの「フレネ学校」における三クラス(幼児クラス、小学校低学年クラス、小学校中〜高学年クラス)と、パリ郊外のボビニーにある「マリー・キュリー小学校」の(CE2、CM1、CM2の異学年混合学級の)三クラスで観察-記録を行った。2.日本の複式学級として、特に、山形大学附属小学校の複式学級(1・2年複組、3・4年複組、5・6年複組)での継続的な観察・記録を中心に行った。1.のフランスで「フレネ技術」を導入している異年齢学級の基盤には「協同」「協働」があり、同時に、子どもたちが自律的に自己の学びを自主運営していた。そこでは、個性化と協同化(協働化)を促し両者の調和的融合を支える「フレネ技術」と、豊かな「学習材」、そして教師の役割を見出すことができた。2.の山形大学附属小学校の1・2年複組、3・4年複組、5・6年複組(各学年が8名ずつ、合計16人の学級編成)においては、国語、算数、生活科、総合的な学習の時間、社会科、朝の会、学級活動の様子などを継続的に観察・記録した。その考察の一部を、次の論稿の一部分で記述した。坂本明美「協働的な探究としての学び」、山形大学附属小学校『授業の創造』第62号、2007年、p.9に掲載予定(印刷中)。さらに、山形県内の複式学級や北海道の複式学級の観察を通して、日本の複式学級における課題として、「間接指導」時にいかに子どもたちに自律的、主体的た学んでもらうか、ということが重要であることがわかった。この課題の解決のために、本研究で取り上げた次のようなことが大きな手がかりとなることがわかった。即ち、「協同/協働」を基盤とし、「フレネ技術」と「学習材」に基づいた個性化と協同化/協働化との調和的な融合を備えた学び、異学年同士の協同的/協働的な学び合いである。 平成19年度は、これまで授業観察・記録した内容とともに、新たに観察・記録する学級の内容と合わせて、さらに考察を深めていきたい。
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