2008 Fiscal Year Annual Research Report
フランスにおける「フレネ技術」を導入した異年齢学級と、日本の複式学級との比較
Project/Area Number |
18830011
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
坂本 明美 Yamagata University, 教職研究総合センター, 講師 (40400535)
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Keywords | フレネ技術 / フレネ教育 / 異年齢学級 / 複式学級 / フランス / 学習材 / 自律 / 協働 |
Research Abstract |
平成20年度の主な研究内容は、次の二つの柱である。1. 平成20年度末の2009年3月に、フランスの公立小学校、及び公立初等学校を、合計4校・5クラス訪問し、調査を行った。(1)全校2クラスの初等学校(Ecole Primaire)で、CP〜CM2(小学校第1〜5学年)の子どもたちが1つのクラスで学んでいる初等クラス(小学生クラス)と、2〜3歳、3〜4歳、4〜5歳、5〜6歳の子どもたちが一つのクラスにいる幼児クラスがあり、両クラスを参観させていただいた。どちらも「フレネ技術」(フレネ教育)を導入しているが、特に初等クラスで「フレネ技術」を積極的に導入・実践していた。(2)CE1〜CM2(小学校第2〜5学年)の子どもたちが一つのクラスで学んでいる全校1クラスの学校。「フレネ技術」を導入している。(3)CP〜CMI(小学校第1〜4学年)の子どもたちが1つのクラスで学んでいる全校1クラスの学校。部分的に「フレネ技術」から着想を得た実践を行ってはいるが、担任教師自身が「フレネ技術」の直接的な導入は難しいと考えている。(4)異年齢学級ではないが、研究の参考にするために、(3)の小学校の近くにある小学校の、第2学年のクラスを参観させていただいた。「フレネ技術」は導入していない。以上のフランスにおける調査を通して、特に、「フレネ技術」と「学習材」が果たす役割を再認識することができた。また、協働的な学び合いの場面も観察することができ、その有効性も再確認した。2. 日本における複式学級の調査として、山形県の山形大学附属小学校における3・4年複組と1・2年複組を観察させていただいた。特に、間接指導時における子どもたちの自律的、協働的な学びと、教師の介入のタイミングについて、考察を深めることができた。1と2の観察内容について、今後、論文等にまとめて発表していきたい。
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