2007 Fiscal Year Annual Research Report
生物学的な個人差から見たADHDにおける衝動性メカニズムの解明
Project/Area Number |
18830012
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
大村 一史 Yamagata University, 地域教育文化学部, 講師 (90431634)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 遺伝子 / 実験系心理学 |
Research Abstract |
ヒト遺伝子を対象とした実験に対する本学および本学部倫理委員会の審査は進行が遅く、スムーズな遺伝子データの取得に困難が見込まれたため、前年度に引き続き、遺伝子-行動実験の体制を整備するとともに、遺伝子データの採取を伴わない、皮膚電気活動等を利用した心理生理実験を平行して行うことを試みた。年度当初は、本研究的資金により、実験室環境の整備、予備実験の実施等のセットアップ作業を入念に行い、遺伝子-行動実験および心理生理実験に向けての準備をおこなった。本研究資金で構築した実験環境において、行動抑制課題であるGo/Stop課題およびGo/NoGo課題等を用いた行動実験を実施して、データの蓄積を行った。このデータ取得は本研究期間修了後も引き続き継続していく予定である。これら行動実験と平行して、特にADHDの衝動性に関して、ドーパミン関連とセロトニン関連の遺伝子多型を主なターゲットとして絞り込み、遺伝子解析を用いた予備的な実験にも着手した。この予備的な実験に際して、遺伝子解析を得意とする本学部教員と研究ネットワークを構築し、遺伝子解析、行動実験を効率的に進めていく研究体制を確立した。さらに実験研究以外にも、質問紙法を利用した調査研究を開始し、多角的な視点から衝動性を捉えることへ研究を拡大した。今後は、本研究資金でセットアップされた研究環境をもとに、さらに研究を進めて、関連した研究成果を、学会や論文紙面において発表していく予定である。
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