2006 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル・ブランドの管理における親会社と地域統括本社との関係についての実証研究
Project/Area Number |
18830031
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
井上 真里 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (60409480)
|
Keywords | 製品ブランド / グローバル・ブランド / ブランド管理組織 |
Research Abstract |
2年間にわたる本研究の目的は、日本の耐久消費財多国籍企業(とくに輸送機械企業と電気機械企業)におけるグローバル・ブランドの管理(以下、GBMと略記)について、親会社のブランド管理組織による地域統括本社への管理内容および管理プロセスを明らかにすることである。 そのなかで平成18年度においては、GBMの実態について日本耐久消費財多国籍企業の欧米地域統括本社ヘインタビュー調査を行う前段階として、当該企業親会社のブランド管理組織に対するインタビュー調査と地域統括本社に関する文献収集を行った。ブランド管理組織と地域統括本社との関係を明らかにするにはさらなる研究の進展を待たなければならないが、平成18年度の研究成果は『日本多国籍企業におけるグローバル・ブランド管理のギャップとディファレンス』(異文化経営学会『異文化経営研究』第3号所収)として公刊されている。 上記論文においては、これまでに関与してきた6社へのインタビュー調査およびその他2社の資料に基づき、日本の耐久消費財多国籍企業におけるGBM内容を4つのフェーズ((1)ブランディング、(2)コミュニケーション管理、(3)個別グローバル・ブランドにおけるマーケティング諸政策の一貫性管理、(4)複数グローバル・ブランドにおけるマーケティング諸政策の一貫性管理)に類型化している。一般に、各社が採用するGBM内容の違いはギャップ(時間的差異)として捉えられがちであるが、各社固有の事業および意思決定構造がGBM内容に大きな影響を与えることが明らかになったことから、ギャップよりもむしろディファレンス(構造的差異)として捉える必要があるという結論を導いている。
|