2006 Fiscal Year Annual Research Report
大正・昭和初期における生活改善運動の運動史・思想史的解明
Project/Area Number |
18830041
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
久井 英輔 兵庫教育大学, 教育・社会調査研究センター, 講師 (10432585)
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Keywords | 生活改善 / 社会教育 / 余暇活動 / 教養活動 / 社会調査 |
Research Abstract |
1 生活改善運動の運動史的解明-生活改善中央会の組織・事業に関する考察 先行研究での言及が殆ど見られない昭和初期の生活改善運動の実像を明らかにするため、当時の文部省外郭団体である生活改善中央会の組織と事業の実態を詳細に整理する作業を行った。具体的には、生活改善中央会の刊行物等の収集・分析を基に、生活改善中央会の役員組織と実際の人事、講演会・講習会などの事業実施状況、財政状況などを記述し、昭和初期の生活改善運動の性格を明らかにした。この研究成果は、「昭和初期における生活改善中央会の組織と事業」(『兵庫教育大学研究紀要』第31号)として平成19年9月刊行予定である。 2 生活改善運動の思想史的解明-予備作業としての「戦間期社会教育の対象者把握」に関する考察 大正・昭和初期の生活改善運動は、人々の生活実態の把握を基にした提言活動が中心であったが、この「運動の対象者を把握する方法」の具体的性格を明らかにすることは、正解改善運動を支えた「思想」を読み解くという意味で、これまでの先行研究で着手されていない教育史上の重要な検討課題である。 申請者は平成19年度の研究の一部として、上記の「対象者把握に見る生活改善運動の思想」を構想しているが、平成18年度はその予備的作業を行った。即ち、戦間期・戦中期の社会教育事業全体における、調査に基づく対象者認識の特徴を、大都市行政調査資料や社会教育関連雑誌の記述を基に、概括的に捉えた考察である。この研究成果は、「大正後期・昭和前期における教養活動・余暇活動と調査の<視線>-社会教育調査史研究のための一試論」(『生涯学習・社会教育研究ジャーナル』第1号)として、平成19年7月刊行予定である。
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