2006 Fiscal Year Annual Research Report
ネット・コミュニティにおける仮想経験とビジネスモデルの関係についての調査研究
Project/Area Number |
18830055
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
水越 康介 首都大学東京, 社会科学研究科, 研究員 (60404951)
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Keywords | 経営学 / ネット・コミュニティ / 仮想経験 / ビジネス・モデル |
Research Abstract |
インターネットの普及に伴い、インターネット上で成立するバーチャルな共同体、ネットコミュニティが多数成立するようになっている。これらのネットコミュニティに対しては、社会学や心理学における興味のみならず、われわれ経営学の分野からも、BtoCやCtoCのコミュニケーション構築を可能にする新しいビジネスモデルとして注目が集まっている。本研究では、こうしたネットコミュニティの特性や現代的な意義について、国際的な比較分析を通じて明らかにするとともに、そのビジネスモデルとしての可能性について考察することを目的とする。 このさい、焦点があてられるのはネット・コミュニティにおける仮想経験の存在である。バーチャルな世界においても、現実世界に近い形での経験を与えることが可能なのかどうか、あるいは、もし可能であるとするのならば、それはいかに実現され、またいかなる効果を持つことになるのかを明らかにすることを試みてきた。 本年度は、これまでの研究蓄積を洗い直し、学際的な文献調査を進めることで、問題の先鋭化を行った。また、すでに先行して行われていたヒアリング調査を引き継ぎ、これらから生まれた問題意識を研究会などで報告することを通じて検討を進めた。 本研究で明らかになったのは、物理的制約としてのメディア端末の存在である。いかなるネット世界であれ、物理的制約を伴い、この制約がコミュニケーションの方向性に規定を与えることが示された。
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