2006 Fiscal Year Annual Research Report
「親力」向上講座に関する実証的研究-ペアレンティングの取組みと参加者への全国調査
Project/Area Number |
18830067
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Research Institution | Bunri University of Hospitality |
Principal Investigator |
斎藤 嘉孝 西武文理大学, サービス経営学部, 専任講師 (20424054)
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Keywords | ペアレンティング / 親力・親業 / 事業評価・政策評価 / プログラム / 家庭教育事業 / 保育ママ / ファミリー・ライフ・エジュケーター |
Research Abstract |
本研究の目的は、わが国における「親向け講座」の実態を、多方面から実証的に明らかにすることである。そのため、実証的には、全国規模の調査を実施し、その結果を受けて今後の「講座」のあり方を模索し、政策的示唆を提示しようとする。抽象的・学術的には、「親子」あるいは「ペアレンティング」(parenting)という制度の現代的機能・意義・可能性等を理解しようとする。 平成18年度は、親の子育て力(本研究でいうペアレンティング)がいかに公的事業で扱われているかを実証的に把握するため、実態把握調査を行った。全国すべての市町村における教育委員会の担当者(主に「家庭教育」部署)に対し、質問紙を配布し(悉皆調査)、57%(1,053票)の回答率を得た。 そこで見えてきた重要な点の1つは、程度の差こそあれ、親向け講座は概してその効果のほどが現場担当者にはっきり把握されておらず、いかに効果的に実施するか、どうやって(本当は参加してほしい層の)親を集めるかなどが悩みの種になっていることである。 そこで本研究では、海外での取組みの例(米国のペアレンティングプログラムや大学院教育、あるいはフランスの保育ママ研修制度など)を参考に、現在のわが国の親向け講座のやり方について検討した。論点は複数あるが、例えば、効果測定(事業評価)を実施することである。これは科学的にみても、また他先進国の事業例をみても、日本の親向け講座にとって意義深いことではないかと提案した。 さらに本研究の遂行にあたり必要な要素は、いくつか想定されている。まず、国内で成功例と評価できる取組みを対象にした抽象化であり、教育委員会への全国調査の結果を受けて、平成19年度に実施する予定である。また、親向け講座への「参加者」と「非参加者」の特性の違いに注目することも、それによって参加のメカニズムを知ることができるため、意味のあることだと考え、企画中である。
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